2016年6月22日(水) 歴代上4章 苦しみの彼方に…


母は、「わたしは苦しんで産んだから」と言って、彼の名をヤベツと呼んだ。(歴代上4:9)

 2章に続いて、ここではユダのもう一つの系図が記されています。何と言っても注目されるべき人は9節に出てくるヤベツでしょう。この祈りはヤベツの祈りというよりも、ヤベツに与えられた祈り、教えられた祈りと言えるでしょう。

 ヤベツに祈りを教えたのは、母親だと思います。ヤベツの母は人生の深い苦しみ、肉体の深い痛みを味わい、失意のどん底にいました。けれども、そこで主に祈りを献げ、神の助けに与り、無事に出産を終えることができたので、その恵み、主の計らいを忘れないために、あえて苦しみを意味する「ヤベツ」という名をつけたのかも知れません。

 そのとき、ヤベツの母を祈りに導いたのは、助け主である聖霊なる神でした。聖霊は母だけではなく、その子ヤベツに、そして私たちをも祈りに導かれるのです。聖霊ご自身は、同じ様に人生の苦しみを味わっている私たちのために、言葉に表せない呻きをもって今も執り成してくださいます。そして神はこの祈りに応え、万事が益となるようにしてくださるのです(ロマ8章28節)。