2016年4月5日(火) ヨブ13章 命をかけて、神に向かう


そうだ、神はわたしを殺されるかもしれない。
だが、ただ待ってはいられない。
わたしの道を神の前に申し立てよう。
このわたしをこそ
神は救ってくださるべきではないか。
神を無視する者なら
御前に出るはずはないではないか。(ヨブ13:15-16)

 神への畏れを深めるヨブ。このヨブは神への強い憧れと愛を抱き続けている人でした。災難の後も決して変わらずに。だからこそ、命をかけた言葉を神に向かわせます。「このわたしをこそ、神は救ってくださるべきではないか」。

 こう言うヨブは不遜でしょうか。傲慢でしょうか。友人たちにはそう聞こえました。しかし、ヨブは人間の小ささを知っています。人間ごときが、果てしなく大きな神、知恵に満ちた神にたやすく物申せるはずがないことも。そして、神は、訴えかける者に、激しい怒りと不快感を示されるかもしれないことも。そのヨブが叫んでいます。救いを求めて叫んでいます。神への愛の発露として、抑えきれない神への憧れをもって。まっすぐに叫んでいます。そこに、一切の下心はありません。神との間を取り繕う、飾りたてた言葉もありません。丸裸の心だけがぶつけられます。

 私たちは知らされます。ヨブ記の冒頭で、神がなぜあれほどヨブを信頼されていたのか。それは、このようなヨブのまっすぐさであったと。そして、そのまっすぐさは繰り返される嘆きのなかで、より澄んだものに導かれていると。