2016年1月27日(水) 申命記14章 神の宝の民


あなたたちは、あなたたちの神、主の子らである。死者を悼むために体に傷つけたり、額をそり上げてはならない。あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。主は地の面のすべての民の中からあなたを選んで、御自分の宝の民とされた。(申命記14:1-2)

 ここでは、まずイスラエルの民が神の子らであると語られ、次に死者をどのように悼むかが示され、そして、イスラエルは神の宝の民とされた、と結論付けられます。神の民であるという自覚は、死別のあり方とも深く結びついています。

 当時の人びとは、死別の深い悲しみの故に、自分の体を傷つけ、死者との間に血の契約を結び、死者礼拝を行いました。死の向こうとこちらとは隔てられていますから、死者と結ばれ、それにより悲しみを癒やそうとしたのでしょう。

 しかし、イスラエルの民は、愛する者の死に際して、神の子として、神に祈り、悲しみを神に訴えます。死者と結ばれ、死者を礼拝し、悲しみに耐えるのではなく、死の悲しみの中でこそ、人の死をも支配しておられる神とより深く結ばれます。

 主イエスは、十字架にかかられ、私たちを神の聖なる民、神の子、神の宝の民としてくださいました。それは、私たちの悲しみや死別の深い傷をも癒やしてくださるためです。復活の主は死の悲しみの中でより力強く私たちを支えてくださいます。