2015年10月3日(土) マルコ10章 すべての人の僕になること


「しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。」(マルコ10:43-44)

 主イエスのこの言葉は、9章35〜37節と同一の教えです。神の国には、世間一般の人が、偉くなるために追い求めるあり方とは正反対の原理があります。それは、主イエスのもとでは、すべての人に仕える「僕」こそが偉い者とされるということです。

 「仕える者」と「僕」は、自分のすべての権利をあきらめ、ただ主人の指示に従わなければなりません。その指示に徹底的に服従する僕を主人(神)は祝福し、いちばん上になる者とされます。

 使徒パウロは、「自分を無にして、僕の身分になり、…十字架の死に至るまで従順」だった主イエスのことを語っています(フィリ2章6〜8節)。主イエスこそ、すべての人に仕える「僕」でした。それは父なる神の御旨に従って、自分の命を献げる使命を最後まで果たされたお姿、受難のお姿の中にはっきりとあらわされました。

 私たちに示される主イエスの生き方は、私たちのそれとまったく同じではありません。私たちは弱い。しかし、主イエスの弟子になりたいと願う者は、十字架の道に従いながら、人々に仕える生き方を強く祈り求めて歩みます。