2015年8月20日(木) サムエル上16章 主の主権と恵みによって選ばれた器


主は言われた。「立って彼に油を注ぎなさい。これがその人だ。」サムエルは油の入った角を取り出し、兄弟たちの中で彼に油を注いだ。その日以来、主の霊が激しくダビデに降るようになった。(サムエル上16:12-13)

 サウルを退けようと決意された神はサムエルに、ダビデに油を注ぐように命じられました。油注ぎは、神の働きに聖別され、そのための賜物が与えられたことを意味します。ダビデはエッサイの末子で、王の戦士であった兄たちと違い、羊飼いでした。言わば下級の仕事人だったわけです。

 しかし、彼こそ、主がイスラエルの王として選ばれた人でした。ダビデは油注がれて以来、主の霊が降りますが、主の霊が離れ、悪霊がとりついたサウルと対照的です。サウルは悪霊にさいなまれたとき、家来の勧めにより、それを静めることのできる竪琴の奏者としてダビデを召し抱えます。退けられる王が次の王の候補者を側近にするというのは皮肉なことです。それはサウルの罪への報い、またダビデに対する恵みの選びで、主ご自身の主権的な御業です。

 サウルに抜擢されたダビデがやがてそのサウルに殺されそうになるとは、まだ誰も知りません。ここに王朝の交代が起こり始めています。実にその中で、主なる神こそイスラエルの唯一、真の王であることが示されているのです。