2014年8月25日(月) エレミヤ30章 ひとりの指導者


ひとりの指導者が彼らの間から
治める者が彼らの中から出る。
わたしが彼を近づけるので
彼はわたしのもとに来る。
彼のほか、誰が命をかけて
わたしに近づくであろうか、と主は言われる。(エレミヤ30:21)

 旧約聖書物語は、罪を重ねて絶望的になっていく歴史です。エジプトの奴隷状態から解放されたのに、再びバビロンの奴隷状態になっていく悲惨な歴史です。エレミヤの時代にも、罪のために神の民に決定的な裁きが到来しました。

 しかしそこに、神がダビデ王に約束された救い主への期待が、一筋の希望の光として、貫いていきます。その約束とは「あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする」(サム下7章12節)というものでした。

 主はエレミヤに言われました。「その日にはこうなる、…彼らは、神である主と、わたしが立てる王ダビデとに仕えるようになる」(8、9節)。この新しいダビデ王とは、周辺諸国から国民を守る英雄ではなく、神の怒りと刑罰から神の民を救うのです。

 罪に対する神の怒りがどれほど恐ろしいものか、神自らお語りになります。「彼のほか、誰が命をかけて、わたしに近づくであろうか」と。イエス・キリストのほか、私たちの罪のために、神に向かって行かれる方はいないのです。