2014年6月21日(土) 使徒8章 福音はユダヤとサマリアへ


その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起こり、使徒たちのほかは皆、ユダヤとサマリアの地方に散って行った。(使徒8:1)

 ステファノの最高法院での弁論と、その後の石打ち刑が引き金となり、エルサレム教会に対する厳しい迫害が開始されます。これまでの迫害は主に使徒たちに向けられていましたが、今回は全信徒も含めて迫害の手が及びます。

 使徒たちと側近の者たちはエルサレムに踏み留まりますが、ほかの信徒たちは、かの七人の奉仕者の一人フィリポを含め、エルサレムから離散していきます。その離散先は大きく二つの地方でした。一つはユダヤとサマリア地方、他の一つはフェニキア、キプロス、そしてアンティオキア(11章19節)地方です。前者はユダヤ人と異邦人との混成地帯ですし、後者は異邦人の中に少数のユダヤ人が寄留する地方です。

 せっかく信徒の数が増え、群れの体制も整い始めたエルサレム教会にとり、この迫害による信徒の離散は大きな痛手でした。しかし神を愛する者たちには、万事が益となるように共に働く(ロマ8章28節)とあるように、この迫害により福音は、エルサレムだけでなく、ユダヤとサマリアの全土へと拡大することになるのです。