2014年4月23日(水)列王上19章 静かにささやく声


地震の後に火が起こった。しかし、火の中にも主はおられなかった。火の後に、静かにささやく声が聞こえた。それを聞くと、エリヤは外套で顔を覆い、出て来て、洞穴の入り口に立った。そのとき、声はエリヤにこう告げた。「エリヤよ、ここで何をしているのか。」(列王上19:12-13)

 エリヤは、450人のバアルの預言者に大勝利をおさめました。しかし、ここには勝利者としての面影は全く見られません。世の権力に怯え、神から与えられた使命に生きることに意味を見出すことができなくなったからです。

 洞穴の中に閉じこもり、塞ぎこんでしまったエリヤに、神は、声をかけてくださいました。「ここで何をしているのか」と。そして、「主の前に」(11節)立つように命じられます。神の前に立ち、神と向き合うとき、人は、はじめて生きる力が与えられるからです。このエリヤを再び命へと導いた神の声は、風や地震や火などの激しい出来事の中ではなく、ささやくような静かな声で聞こえてきました。

 私たちも悩みのゆえに、生きる気力を失ってしまうことがあります。それは、人生の勝利や成功といった大きな出来事ばかりに心が奪われているからかもしれません。しかし、神は、闇の中においても、ささやく声で語りかけておられます。その声に耳を傾けるところに、神と人との命の出会いが与えられるのです。