2014年1月10日(金) ルカ7章 起き上がるいのち


イエスは、「若者よ、あなたに言う。起きなさい」と言われた。すると、死人は起き上がってものを言い始めた。イエスは息子をその母親にお返しになった。(ルカ7:14-15)

 死者を生き返らせるものは何か。それは神の愛であり、神の憐れみです。

 主イエスによって命に返されたこの若者も、それからどれほどかの日数を地上で重ねたのち、死ななければならなかったでしょう。その点では、私たちと同じです。

 けれども、今彼は(そして、彼の母も)主イエスと出会い、主イエスに生かされました。今や彼の生も死も、主イエスのもとにあります。愛と憐れみの主の御手にあります。

 主イエスの十字架の贖いによって罪赦され、罪を取り除かれた者は、死んでも生きる。死を超える命を生きる。あらゆる悲しみや苦しみや絶望を克服した人間として、そしてその果てにある最後の敵である死の支配からも解き放たれた人間として生きる。だから「もう泣かなくともよい」(13節)のです。

 主イエスに結ばれた命。それは、もうこの地上で始まっています。これこそが、人間の本来の命です。主がその命を取り戻してくださった。ご自身の愛と憐れみによって取り戻してくださった。それが、神の恵みを受けて私たちの命が「起き上が」るということです。