2013年6月26日(水)コヘレト11章 備えあれば憂いなし


長生きし、喜びに満ちているときにも
暗い日々も多くあろうことを忘れないように。(コヘレト11:8)

 震災以降、国民の危機意識が高まって国や地方自治体が津波や震災の対策に動き出しています。「備えあれば憂いなし」との心構えは聖書の教えでもあります。たとえ今の暮らしが平穏であっても、人生には何が起こるか分からない。暗く落ち込むようなこともあることを忘れないように、と賢者は備えを呼びかけます。

 青年時代はまさにそうした備えの時です。人生における大切な時期は、どの年代と区分して特定することはできません。いつも与えられた今を大事にしてできるだけ健やかに過ごしたいものです。しかし、やがて訪れる困難や痛みに耐える力を養うのも、大抵は若い時分の努力によります。

 青春を謳歌するのは若さの特権でしょう。神は人にそれを楽しむ恵みもくださいます。けれども自分のしたことについては最後に責任が問われます。人には神が定めた死の時があり、そこで最終的な裁きが公平になされます。最後の最後にすべてを台無しにしてしまわないように、神を畏れつつ今を喜ぶことが良き備えの秘訣です。