2013年2月6日(水)創世記20章 介入


アブラハムは妻サラのことを、「これはわたしの妹です」と言ったので、ゲラルの王アビメレクは使いをやってサラを召し入れた。(創世記20:2)

 アブラハムは旅を続け、ヘブロンからカナン南西の町ゲラルの地に移ります。遊牧民は、季節に応じて寄留地を移動します。彼らは、生活の安定を図るために、状況を冷静に見極め、生き延びるためのしたたかさと知恵を必要とします。

 アブラハムは、「この土地には、神を畏れることが全くないので、妻のゆえに殺されると思い」、再び妻サラを妹と偽ります。神を畏れず、人を恐れるアブラハムです。ゲラルの王アビメレクは、彼の言葉を信頼して、サラを王宮に召し入れます。しかし、神が介入され、夢の中でアビメレクに現れます。神は、人間的な策を弄するアブラハムを、執り成し手として立てられます。「アブラハムが神に祈ると、神はアビメレクとその妻、および侍女たちをいやされた」。

 アブラハムとアビメレクの、人間としての破れと愚かさは明らかです。しかし、神の憐れみの介入は、その破れをも貫いています。神は、選ばれたアブラハムを通して、神の恵みの支配を実現していかれます。