2012年6月28日(木)ローマ10章 神の深い知恵


わたしは彼らが熱心に神に仕えていることを証ししますが、この熱心さは、正しい認識に基づくものではありません。なぜなら、神の義を知らず、自分の義を求めようとして、神の義に従わなかったからです。キリストは律法の目標であります、信じる者すべてに義をもたらすために。(ローマ10:2-4)

 神の「選び」とは、神がキリストを通して生きた関係を持つ者を創造に先立って定めておられた、ということです。この神の決意は、世界の歴史と人生のなかで、時に人の予想を超えて実現されます。特に、選民イスラエルの神への背きと、非イスラエル人の神への立ち帰りが、そうです。

 2節の「彼ら」は旧約のイスラエル民族の子孫のみならず、自分の義の追求に生きる、後の世代のユダヤ人を含みます。彼らはキリストを拒みました。彼らに与えられた律法には、キリスト(救い主)が予め約束されていましたのに、なぜこうなったのでしょうか。

 彼らが、高ぶって律法を自分を誇る口実にした(2章)とき、その罪は決定的なものになりました。しかし、その背後に神の知恵が働いているのを見逃せません。つまり、キリストの福音がユダヤ人を超えて他の人びとに伝わるため、それを見てユダヤ人も神に立ち帰り、こうして全世界に救いが広まるためです。「神の知恵のなんと深いことか」(11章33節)!