2012年4月16日(月)エレミヤ9章 主を誇れ


知恵ある者は、その知恵を誇るな。
力ある者は、その力を誇るな。
富ある者は、その富を誇るな。
むしろ、誇る者は、この事を誇るがよい
目覚めてわたしを知ることを。
わたしこそ主。(エレミヤ9:22-23)

 「誇る」とは、頼みとする、土台に据えるということです。自分の知恵、自分の力、自分で蓄えた富、そうしたものを誇るなと預言者は呼びかけます。人は自分自身を自分の命と人生の土台に据えることはできないということです。

 では、人間の真の土台とは何でしょうか。主なる神です。「わたしはある」(出3章14節)と仰せになるお方に人生の土台を据えるとき、人は自らも「ある」ことができます。霊の目を開かれてそのことを知った者が、真の知恵者です。

 人間が、神のもとを離れ、神から自立して、おのが知恵と力によって世界と人生とを切り拓こうとする時代の中に、私たちも置かれています。人が神の座につこうとする世界は、真に幸福な世界と言えるでしょうか。文明を謳歌する一方で自然環境は破壊され、人間疎外と弱肉強食の傾向は加速し、自らが過信した科学技術の成果が自分自身を滅ぼしかねない状況をつくってしまっています。主を誇ることこそが命と幸いの道です。これは時代をこえた真理です。