2011年7月10日(日)詩編102編 苦悩の中で民族の再興を祈る


国々は主の御名を恐れ
地上の王は皆、その栄光におののくでしょう。
主はまことにシオンを再建し
栄光のうちに顕現されます。
主はすべてを喪失した者の祈りを顧み
その祈りを侮られませんでした。(詩編102:16-18)

 この詩の表題は、「祈り。心挫けて、主の御前に思いを注ぎ出す貧しい人の詩」となっています。

 詩人は今、まことに打ちひしがれた状態にあります。敵対者から嘲りを受け、慰めてくれる者もなく全く孤独です。なによりも主の怒りによって罰せられていると感じることが辛いのです。

 その中で、詩人は自分のために祈るだけでなく、主の怒りによって罰せられ厳しい状況にある自らの同胞のために祈ります。そして、主が、その民を憐れみ、都と神殿を再興し、栄光の内に顕現してくださることを、詩人は確信します。そして、打ちひしがれた者の祈りをも侮られず、応えてくださる主の誠実さを悟ります。

 主は「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである」(マタ5章3節)と言って、この詩編の祈りを聞き入れてくださいました。私たちも自らが意気消沈しているような中でも、信仰を共にする聖徒たちの必要を覚えて祈ることによって、主の憐れみを確信することができます。