2010年11月21日(日)詩編79編 御名のために


どうか、わたしたちの昔の悪に御心を留めず
御憐れみを速やかに差し向けてください。…
わたしたちの救いの神よ、わたしたちを助けて
あなたの御名の栄光を輝かせてください。
御名のために、わたしたちを救い出し
わたしたちの罪をお赦しください。(詩編79:8-9)

 歴史のなかで神の民は幾度も厳しい試練に遭いました。なかでも近隣諸国との戦争で国を失った経験は、彼らにとって悲惨の極みでした。確かに、異国の民たちの振舞は、残酷なものでした。イスラエルの民は、その業への報復を祈り求めてもいます(6、7節)。

 しかし、彼らが一番熱心に祈り求めたのは、「どうか、私たちの昔の悪に御心を留め」ないでください、という祈りです。敗戦の苦痛と恥を経験するなかで、イスラエルは、神の怒りが自分たちの過去の罪に向けられたことを悟り、自分たちへの神の裁きを見ました。

 彼らの悔い改めの祈りは、私たちの祈りの手引きとなります。彼らは、ご自分の御名のために赦してください、と祈ります。自分たちは、神の民という名を背負うために選ばれたのであり、このまま、人びとの物笑いの種にしておいていいのですか、と訴えています。私たちも、神に罪の赦しを請い願うときがあります。そのとき、「御名のために」お赦しくださいといって、神に訴えかけてみましょう。