2010年10月31日(日)詩編76編 恐るべき方


神は裁きを行うために立ち上がり
地の貧しい人をすべて救われる。(詩編76:10)

 この歌では、主を「恐るべき方」と呼んでいます。戦乱に明け暮れるこの世界に、神は怒りをもって臨まれます。天の神が審判を下されるとき、人の争う力は消え失せ、静かな終わりが訪れます。そうして、貧しさに喘ぐすべての人びとに真の救いがもたらされます。

 神の怒りが人の怒りを凌駕し、恐るべき神が、人の手による恐るべき武器を打ち砕いて最終的な解決をもたらします。この歌は、このような神の支配による平和の実現を語ります。歴史に到来する神の臨在とその働きを、イスラエルは神の名において具体的に知らされました。

 神への恐れのないところでは、平穏な日常生活を脅かすようなみ言葉を聞くと、神が私たちの生活を脅かしている、と思いがちです。しかし、この鈍さは、カナンに定着して国の繁栄ぶりに満足したイスラエルの民にもありました。ある人は、「現代の私たちは神への恐れを喪失している」と指摘しています。主よ、あなたを恐れる心を取り戻させてください。