2010年10月24日(日)詩編75編 角をそびやかすな


「わたしは驕る者たちに、驕るなと言おう。
逆らう者に言おう、角をそびやかすなと。
お前たちの角を高くそびやかすな。
胸を張って断言するな。」
「わたしは逆らう者の角をことごとく折り
従う者の角を高く上げる。」(詩編75:5-6,11)

 イスラエルの賛歌は、神の御業を語ります。彼らを選び、救いの御手を差し伸べられた神は、御名において民と共にあり、その大きな御業を通してご自身を世に示されます。賛美はイスラエルによってなされる神の宣教の手段です。

 この賛美は、一方で、裁きを曲げて不正を行い、神々のごとく力を誇る権威者に対しては、警告となります。他方で、その抑圧の下で虐げられている者たちに対しては、解放の調べです。

 この詩編には、繰り返し角が登場します。雄牛の角でしょう。力強さの象徴です。角を高く上げる雄牛には、人は恐くて近づくこともできません。しかし、神に逆らって角を上げても、神はその角を折られます。

 人は、神の裁きの前に立って初めて、自分で自分の角を高く上げて生きてきた自らの驕りに気付かされます。謙遜そうに見えても、心の中では角を上げています。十字架の主を見上げ、神が高めてくださることを期待して、自らの角を下ろしましょう。