2010年10月8日(金)ルカ19章 寄り道する王イエス・キリスト


イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」(ルカ19:9-10)

 当時、イスラエルの人びとは「神の国はすぐにも現れるものと思って」(11節)いました。その考え方に一石を投じようと、主イエスは、「ムナのたとえ」をお話しになりました。主は、やがて王として帰って来られ、審判を行い、神の国を完成させてくださいます。しかし、すぐにそこまでいくとは限らないことを、このたとえを通して明らかにされました。

 実は、このたとえは、ザアカイの出来事の直後に語られています。十字架に向かって進んでおられた主イエスは、エリコに入っても、そこを素通りして、エルサレムに直行することもできたでしょう。しかし、主は、「今日、ぜひあなたの家に泊まらなければならない」(5節・私訳)とお語りになり、あえて、ザアカイの家に泊まられました。

 主は再臨の日まで「失われたものを捜して救うために」活動しておられます。主は、最短距離でなく、あちこち立ち寄って進むことに決めておられます。それは、すべての人が救いに入れられることを、神が願っておられるからです。