2010年5月19日(水)サムエル上14章 神が共にいてくださる


サウルは神に託宣を求めた。「ペリシテ軍を追って下るべきでしょうか。彼らをイスラエルの手に渡してくださるでしょうか。」しかし、この日、神はサウルに答えられなかった。(サムエル上14:37)

 ペリシテ軍との戦いの最中、その先陣をきったのが、サウルの息子ヨナタンでした。ヨナタンによる先陣は敵に動揺と混乱を与え、イスラエルを勝利へと導いていきます。戦の後に兵士たちがヨナタンをかばって言ったように、「神があの方と共にいてくださったからこそ、この働きができたのです」(45節)。

 ヨナタンの働きに対比すれば、サウル王の信仰と判断が如何にうわべだけのものか、神はご覧になっています。敵が右往左往している様子を見ると「神の箱」を担ぎ出し、敵の動揺の激しいのを見ると、「もうよい」と放り出します。兵士が飢えに苦しんだのも、王の気ままさが原因でした。分別を欠いた誓約は、兵士たちに罪を犯させる原因にもなりました。

 サウル王は、無分別な誓いや、一貫性のない言動を繰り返すことによって、イスラエルの歩みを苦境に立たせます。彼は戦いに長じた戦士ですが、神への信頼に生きる訓練を欠いた指導者でした。大切なのは、人間的な能力ではなく、神が共におられることへの信頼と畏敬の心です。