2010年5月17日(月)サムエル上12章 しっかり立ちなさい


「さあ、しっかり立ちなさい。主があなたたちとその先祖とに行われた救いの御業のすべてを、主の御前で説き聞かせよう。」(サムエル上12:7)

 モーセが最後の言葉をイスラエルに語ったように、サムエルも、サウル王の即位後に告別の言葉を残しました。主がイスラエルの先祖に行われた救いの御業は、昔物語ではなく、今もなお生きて働かれる神の御業であり、その民の不信仰も、現代の私たちの信仰の弱さそのものです。

 イスラエルに王が立てられ、王による勝利と結束をイスラエルは喜び祝いました。しかし、王を求めたことが正当化されるのではありません。主は、「自分たちのために王を求めて主の御前に犯した悪」(17節)を悔い改めるように求められます。イスラエルは、悔い改め、主にのみ依り頼む信仰をもって、その上で、王制のもとでの歩みを始めます。

 大切なのは、いつの時代でも、どのような政治体制下にあっても、「主を畏れ、心を尽くし、まことをもって主に仕え」(24節)ることです。そしてそのように生きるためには、「主がいかに偉大なことをあなたたちに示されたかを悟」(同)らねばなりません。歴史に示された救いの御業の全てを信じること、これこそ「しっかり立つ」ための秘訣です。