2009年12月20日(日)ルカ2章 ベツレヘムへ行こう


天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。(ルカ2:15)

 ある説教者が黙想で、「息子を奪われ孤独と悲しみに立ちすくむ老夫婦、降誕祭の夜にも塹壕で敵と向かい合っている若い兵士、収容所や刑務所に囚われている権力の犠牲者たち」、それらの人びとの姿を示しながら、クリスマスに現れた天使たちに問いかけています。「ここでもあなたがたは大きな喜びを告げるのか」と。

 しかし、そこで天使は彼に答えて言います。「ベツレヘムへ行こう。この日、生まれた神の子のところへ行こう。この望みなき世界、私たちのところに来てくださった方のところへ行こう」と。

 忘れがたいクリスマス説教です。天使は、私たちが私たち自身とその苦悩からも、外に出るようにと招いています。私たちの悲しみや苦しみを軽視しているからではありません。むしろそれをよく知っているからこそ、私たちの悲惨のただ中に来てくださった救い主のところに行こう、ベツレヘムへ行こう、と呼びかけています。それならば、今日、私たちもベツレヘムへ行きましょう。自分自身から外に出て、ベツレヘムの御子のもとに。