2009年8月4日(火)創世記49章 預言的な遺言


「ユダよ、あなたは兄弟たちにたたえられる。あなたの手は敵の首を押さえ、父の子たちはあなたを伏し拝む。ユダは獅子の子。わたしの子よ、あなたは獲物を取って上って来る。彼は雄獅子のようにうずくまり、雌獅子のように身を伏せる。誰がこれを起こすことができようか。王笏はユダから離れず、統治の杖は足の間から離れない。ついにシロが来て、諸国の民は彼に従う。」(創世記49:8-10)

 創世記49章は、ヤコブが最後の力を振り絞って、子供たちに預言的な遺言を言い渡している場面です。ルベン、シメオン、レビなどに対するかなり厳しい預言的遺言も含まれています。神の契約の中に身を置いていてもなお、自らが蒔いた罪の種は、きっちりと刈り取ることが求められているという厳粛な事実をこの預言的遺言は語っています。

 しかし、ヤコブの預言的遺言の中では、ユダに対するものだけは別格です。「王笏はユダから離れず、統治の杖は足の間から離れない」と、ユダの子孫から王が生まれることが示されています。

 自分の息子のユダから、約800年後にダビデが生まれ、さらにそれから1000年後にダビデの子孫として主イエスがお生まれになるなどとは、ヤコブ自身にとっても思いもよらないことだったでしょう。しかし、預言の言葉は、人の思いを越えており、神から与えられるものです。歴史のなかで他の預言者を通して預言内容が更に明らかにされ、預言の通り、世の罪を取り除く王の王、主の主がお出でくださいました。