2009年6月23日(火)創世記31章 信仰的決断


ヤコブは直ちに、子供たちと妻たちをらくだに乗せ、パダン・アラムで得たすべての財産である家畜を駆り立てて、父イサクのいるカナン地方へ向かって出発した。(創世記31:17-18)

 ヤコブの周囲には、欲と駆け引きと、偶像礼拝が溢れていました。ラバンのもとでどんなに努力をしてみても、神の守りによってやっと生きているだけで、真に価値ある人生を積み上げることは出来ません。苦悩と葛藤が、内にも外にも増すばかりです。このままでは、自分の家を持てないばかりでなく(30章30節)、無一文で追い出されかねません(31章42節)。

 しかし、これらの説明は、ラバンや妻たちなど、世の価値観に生きる人々への言葉です。ヤコブ自身は、そこで、神の言葉に従ったのでした。これは、信仰的価値観に基づく信仰的決断です。契約の神に従い、契約の家庭を立てることを第一とする思いが固まった時、道は開かれました。

 カナンの地に行けば、仲の良い家族がいて、何もかもうまくいくという見通しが立っているわけではありません。それどころか、自分を殺そうと思うほど憎んでいる兄エサウが待っているのです。しかし、それでも彼は父のもとに帰ろうとしたのです。そこは、神との契約に生きようとする父祖の地だからです。