2009年6月17日(水)創世記29章 人それぞれの苦悩と解決の道


レアは身ごもって男の子を産み、ルベンと名付けた。それは、彼女が、「主はわたしの苦しみを顧みて(ラア)くださった。これからは夫もわたしを愛してくれるにちがいない」と言ったからである。(創世記29:32)

 ヤコブ、伯父のラバン、姉娘のレア、妹のラケル、女奴隷のジルパとビルハ、彼女たちから生れた子どもたち、皆の思惑が衝突したり、すれ違ったりして、それぞれが苦悩を深くしていきました。彼らはお互いの苦悩を思いやることができずに、自分のことだけを考えていました。ヤコブも、妻たちを十分にいたわることができず、両親や兄の心について深く考える力をも欠いていました。

 ここに登場する人々の行先はどうなるのかと考えると、不安になります。まるで、家族が崩壊していく小説を読んでいるかの如くです。最初に大きな的はずれをすると、あとからやることなすことうまくいかなくなる、そのような日常体験を見ているかの如くです。

 しかし、これは神の契約に入れられ、神に導かれる家族の物語です。実は、ここからイスラエル十二部族が生まれます。神のご計画は、人間的な思惑を超えて、実現します。ですから、信仰者は、苦悩する現実のなかにあっても、人の愚かさではなく、神の恵みと救いの光の現れを、期待することができます。