2009年4月30日(木)1コリント10章 偶像礼拝を避けなさい


わたしの愛する人たち、こういうわけですから、偶像礼拝を避けなさい。(1コリント10:14)

 コリント教会には、なんのこだわりもなく、偶像の神殿で食事の席に着く人々がいました。彼らは、この世には偶像の神はなく、唯一の神である父なる神と唯一の主であるイエス・キリストだけがおられるという知識をもっていたからです。

 パウロは、その知識の正しさを認めていますが、ここでは断固として「偶像礼拝を避けなさい」と命じています。パウロが第一に、その命令の根拠としているのは旧約聖書からの実例です。イスラエルの人々は荒れ野で主なる神との深い霊的な交わりを与えられていたにもかかわらず、彼らの大部分は神の御心にかなわず、荒れ野で滅ぼされました。その主な理由は、偶像礼拝でした。

 パウロが第二の根拠としてあげているのが、偶像の実体です。偶像なる神自体はいませんが(8章4節)、偶像の背後には偶像礼拝に誘う悪霊がいます。偶像の神殿での食事は参加者同士の共同の交わりであるだけでなく、偶像の背後にいる悪霊と参加者との生々しい交わりです。悪霊という実体のゆえに、世の偶像礼拝には現実の危険があるのです。