2009年3月1日(日)詩編9編 神の裁きを待ち望む


乏しい人は
永遠に忘れられることなく
貧しい人の希望は
決して失われない。(詩編9:19)

 平和を実現するためには、強大な権力が必要である、と多くの者が考えました。王となった者は、必ずしも、権力欲に憑つかれた者ばかりではないでしょう。むしろ、自らの出生や才能に使命を感じて、腐敗した混沌の世界に秩序をもたらそうと天下統一を目指した指導者もあったはずです。

 ただ、その大義のために犠牲になるのは、小さな者たちです。それは、指導者たちの積極的な自己犠牲とは違います。小さな者たちは、そこにどんな意義も見出すことができないまま、服従を強いられました。そして、自らの命の価値を卑しめられ、奪われるままに、人生を差し出しました。

 神は、人とは違って有力者に有利な正義を約束しません。取るに足らないと思われる者を見過ごしにされることはありません。常に、虐げられた人々の守護者である王として働かれます。正義が神のもとで定まっているとの知らせは、乏しい人・貧しい人にとっての福音です。神は、ご自分に救いを求める人々に必ず応えられます。だから、主の御名を知るものは、人に頼らず、神に頼ります。