2009年2月10日(火)コヘレト8章 神の支配を待ち望む


わたしはこのようなことを見極め、太陽の下に起こるすべてのことを、熱心に考えた。今は、人間が人間を支配して苦しみをもたらすような時だ。(コヘレト8:9)

 コヘレト8章は王による支配という主題を語ります。王は権力者です。その前で家臣は絶対の服従を強いられます。王に逆らわずに生きることが平穏を得る道だ、とコヘレトは語ります。しかし、人間が人間を支配する社会は、つねに多くの矛盾をかかえています。

 人間による人間の支配という現実は、政治の仕組みがどうであれ、さまざまな悪を生み出しています。まさに、一つ間違えば首が吹っ飛んでしまうような緊張を強いられています。多くの人は、この緊張に耐えつつ、賢く身を処すことにより、わが身を守ろうと必死になっています。

 法による支配は、確かに秩序と安定をもたらします。それでも、すべての法には抜け道があります。社会的地位が、ものをいう場合もあります。正直に生きようとする人々は「空しさ」を感じないではいられません。

 私たちが求めるのは、苦しみを和らげ、平和をもたらす神の支配です。神が、まことの王となられる恵みです。聖書はそれを「神の国」と呼びます。苦しみの中にあっても、神の支配を仰ぎ望みましょう。