2019年12月15日(日) 伴走者ヨセフ

 おはようございます。広島にあります平和の君教会の山下です。
 今日から救い主がおいでになられた新約に入ります。(マタイ1:21-22)これまでアドベントの時を過ごす教会の様子を少しお伝えしました。けれどもこの放送を聞いておられる方のなかには、クリスマスなど自分には関係がないと思われる方もいるでしょう。そのあなたにこそ、神様はクリスマスの喜びを味わっていただきたいと願っておられます。

 今日のところには、主の母マリアのいいなずけのヨセフという人物が出てきます。旧約で預言された神の救いの約束がいよいよキリストの誕生によって実現する、その場面に彼は立ち会うのです。そのためヨセフは戸惑い苦しみます。マリアの妊娠の事実がそれでした。

 実はマリアには天使が現れて聖霊によって救い主を身ごもり出産することが予め知らされていましたが、ヨセフには伝えられていなかったのです。自分のあずかり知らないところで婚約者のお腹が大きくなってくる。それは紛れもなくマリアの不貞によると受けとめても仕方のないものです。

 当時、婚約中の不貞は、ユダヤの律法では死罪をも覚悟しなければならない重罪でした。しかし、ヨセフはマリアを愛するが故に、律法と板挟みとなり、もはや婚約を解消する他、彼女を助ける手だてはなかったのです。その時、聖霊が彼にマリアのお腹に宿るお方は救い主であることを告げ、彼女と結婚してその子をイエスと名付け、二人で助け合ってそのお方を育てていくことを命じたのです。そうして救い主はベツレヘムでお生まれになり、クリスマスの約束は実現したのです。

 自分にはクリスマスなど関係がないと言われる方には、日々の生活に追われゆとりなど無いと思われる方もおられるでしょう。又自分は独り身であって、家族連れの目立つこの時期はひとしお寂しさを覚える方もおられることと思います。しかしイエス・キリストがお生まれ下さったのは、私たち一人ひとりのためであって、そのお方があなたの友となって下さり、あなたと共に人生を歩んで下さるためです。

 インマヌエル、神我らと共にあり、と聖霊はヨセフに告げました。生けるまことの神から離れているわたしたち罪人を救うために来て下さったのが、この方です。本来ならマリア一人だけで負わなければならない神からの使命を神様はヨセフにも分かち与えて下さって、二人で協力していくように促されました。

 クリスマスは、孤立するあなたのすぐそばで私が共にいると声をかけられ、それだけでなく一緒に私と生きようと招かれる恵みの時、恵みの場です。自分の思いや考え、生き方だけに固執するのではなく、どうか全てを治めたもう全能の神のみ旨とみ手に委ねて、新たな一歩を踏み出しませんか。きっと素晴らしい神様の世界を見出すことでしょう。わたしもあなたのためにお祈りしています。