2012年11月4日(日) 共に生きるために

 おはようございます。静岡キリスト教盲人伝道センターの新貝香織です。
 肌にあたる風もひんやりとし、秋も深まってまいりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 静岡キリスト教盲人伝道センターは、日本ではプロテスタントでただ一つのキリスト教専門点字図書館です。点字図書館では、活字図書での読書困難な方々へ、点字や音声に変換して図書を製作・貸出しをしていますが、当センターではキリスト教図書を専門に製作しています。日本キリスト改革派静岡教会の元牧師、青山輝徳先生に視覚障害があり、この静岡教会の篤い祈りによって活動が始まり、すべて皆様方からの尊いご献金とボランティアの方々に支えられて事業を継続させていただいております。ご利用者の方は全国各地におられ、1年に約300名の方がご利用下さっています。

 わたしは、3年前キリスト者として何か社会の役に立ちたいと考え、このセンターの「音訳ボランティア」を始めました。現在はセンター職員として働きに加えさせて頂いております。

 本屋さんには、キリスト教の聖書や講解書、また説教集や小説や随筆など、たくさんの素敵な本が発行されています。目の見える方は書店などで、簡単にパッと手に取り、読み、味わうことができます。しかし、視覚障害をお持ちの方は、残念ながらそれが出来ません。そこで点訳や音訳という手を加えることによって、その本が読める形にします。そうすれば、いつでも誰でも神様のみ言葉を受け取ることができます。点訳も音訳も機械ではなく、一人ひとりの方が各作業を行なっているために、一冊の本を仕上げるのにも本当に時間がかかりますが、待っておられる方のためにそれぞれ作業に励んでいます。リクエストによる図書製作が主ですが、いろいろな教派の図書を扱っています。また、「百万人の福音」「信徒の友」という月刊誌も毎月、多くの方にご利用いただいています。

 いつも共にいて下さる神様のみ言葉、愛をお届けできるよう、そして、本を待っていらっしゃる皆様に喜んでいただけるよう、心をこめて取り組んでいきたいと思います。

 わたしたちはたいていのことを、目で見たり、聞いたり、知識で判断してしまいます。当事者の困難を理解することが出来ずに、「まあ何とかやっているから大丈夫でしょう」というふうに捉えてしまいがちになります。
 ですが、ホセア書6章3節には、このように書かれています。
「我々は主を知ろう。主を知ることを追い求めよう。主は曙の光のように必ず現れ、降り注ぐ雨のように、大地を潤す春雨のように、我々を訪れてくださる。」
ここにあるように、いつでも主の御心を仰ぎ、主の求めに応えていきたいと思います。

 人生には様々なことが起こりますが、わたしと共に歩いて下さる方がおられるということをわたしたちは再認識したいと思います。

 本田路津子さんのアルバム「MY PORTRAIT2」の中に、“たとえば私が”という歌があります。

1 たとえば私が 歩けなくなっても 私を背負って ともに歩いてくれる
  たとえば私が 道をはずれても  私とともにいて そこを歩いてくれる
 (おりかえし)
  ともに生きる喜び かみしめながら 歩いていく
  私のそばにはいつも もうひとつの足跡

2 たとえば私が 涙を流すとき ともに涙流し 悲しんでくれる
  たとえば私が 一人になっても 私をなぐさめ 励ましてくれる

3 イエス様とともに 歩き出すときに あなたも気づくだろ もう一つの足跡
 砂の上に続く 二人の足跡は あなたとイエス様の 足跡なのです

 わたしは、主イエスが共に歩んで下さることを知り、静岡キリスト教盲人伝道センターの働きにこれからも関わっていきたいと思います。