2009年5月1日(金)与える幸いに生きる

いかがお過ごしですか。新所沢教会の長石です。
イエスの教えの中に「受けるよりは、与えるほうが幸いである」という言葉があります。この言葉は、イエスの言動を直接記した福音書には出てきませんが、初代の教会では広く知られた言葉として、使徒パウロが引用しています(使徒20:35)。

ではこの言葉は何を教えているのでしょうか。「損して得をせよ」とか、「負けるが勝ち」といった逆説的な処世訓の一つとして読めそうな言葉でもあります。

しかしよく考えて見ると、厳密な意味で「受けるよりは、与えるほうが幸いである」と言うことのできる方は、イエス御自身だけであることに気付かされます。その聖なるご生涯は、一貫して人類の罪の贖いのために、また永遠の命を与えるために献げられたものでした。その偉大な犠牲の生涯があったからこそ、私たち人間は、罪の赦しと永遠の命を受けることができたのです。

つまり福音はまず受けるものであり、受けるからこそ与えることもできるのです。今日私たちのところに福音が伝わった過程において、幾多の信仰者が「受けるよりは、与えるほうが幸い」とする信仰によって奉仕が献げられてきました。その出発点にイエスがおられることを知るとき、私たちもまた与える幸いに生きる者へと招かれ、導かれます。
福音をしっかり受け取ること、神はあなたに、まずそれを願っておられるのです。