涙に濡れた目で | ヨエル書 2章

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ヨエル書 2章

あなたたちの神、主に立ち帰れ。
主は恵みに満ち、憐れみ深く
忍耐強く、慈しみに富み
くだした災いを悔いられるからだ。
あるいは、主が思い直され
その後に祝福を残し
あなたたちの神、主にささげる穀物とぶどう酒を
残してくださるかもしれない。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヨエル書 2章13節~14節

涙に濡れた目で

未曾有の出来事と受けとめられたいなごの襲来から時を置くことなく、更なる被害をもたらすいなごの大群が大地を襲います。誰もがその出来事の当事者とならなければいけませんでした。最初の時に襲った田畑だけでなく、今回は町の中にも家の中にもいなごが侵入してきたからです。人びとから穀物とぶどうとオリーブを奪っていったいなごは、今や礼拝を献げる人間自身を脅かし始めました。誰もが自分自身に臨む神の怒りを感じとらずにはいられませんでした。

ヨエルは改めて、主の言葉を人びとに語りかけます。「今こそ、心からわたしに立ち帰れ、断食し、泣き悲しんで。衣を裂くのではなく、お前たちの心を引き裂け」(12、13節)。それこそ、その時、人びとが献げるように召された礼拝でした。献げるものは自分の心しかありません。神の御心を求めることに鈍い心です。背く心です。心に巣くう罪を一つひとつ数えあげていくならば、申し訳なくて涙がこぼれてきます。

しかし、そのとき、涙に濡れた目で人びとは見つけるでしょう。乾いた目で見るよりも美しい神の憐れみの光を。

柏木 貴志(岡山教会)