ハンナの賛歌 | サムエル記上 2章

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サムエル記上 2章

ハンナは祈って言った。
「主にあってわたしの心は喜び
主にあってわたしは角を高く上げる。
わたしは敵に対して口を大きく開き
御救いを喜び祝う。
聖なる方は主のみ。
あなたと並ぶ者はだれもいない。
岩と頼むのはわたしたちの神のみ。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記上 2章1節~2節

ハンナの賛歌

ここに記されているハンナの祈りは、いろいろな点でルカ福音書の「マリアの賛歌」(ルカ1章46-55節)と響き合っています。ともに神の恩寵によって身ごもり、その子らが特別な使命をもって生まれることになる女性の一つひとつの言葉は、偉大なる神への喜びに満ちた賛美であり、力強い信仰告白になっています。

この「ハンナの賛歌」と「マリアの賛歌」に共通していることの一つは、小さなものを顧みてくださる神への絶対的な信頼です。まことの神は、困難な状況の中でもがき苦しんでいる信仰者を見捨てることはありません。主なる神は必ずその嘆きと訴えを聞きあげ、彼ら・彼女らに救いをお与えくださると、二人は証言しています。

主の御前に自分自身が小さなものであるということを率直に認めていることも大きな共通点です。主の御名をほめたたえつつ、自らはへりくだって、謙遜に歩む姿を聖書は語ります。そしてこれは主イエスご自身の歩みであり、父なる神が喜ばれ、またすべての信仰者に求めておられることでもあるのです(フィリピ2章1-11節)。

唐見 敏徳(忠海教会)